食虫植物と言えば、写真の「ハエトリグサ」や「ウツボカズラ」を想像しますよね。
ハエトリグサはトゲトゲのついた口に虫が入ると、バクッと閉じて捕まえ、消化してしまう動く系の食虫植物です。
ウツボカズラは甘い蜜を出して、大きく空いた穴に虫をおびき寄せる待ち伏せ型の食虫植物。
しかし、トマトが食虫植物と言われてもハエトリグサのように動くわけじゃないし、
ウツボカズラのように虫をおびき寄せる穴なんてありませんよね。
じゃあどこで虫を捕らえているのでしょうか?
実は、トマトは「くきに生えている粘着性の毛」で虫を捕まえます。
捕まえた後は放置です。ひたすら放置します。
やがてその虫は衰弱して死んでしまいます。
そして死骸になった虫はポロっと根元に落ちて肥料となり、その土の栄養を高めてくれます。
そしてトマトはその栄養を吸収するのです。
つまり、トマトは虫をそのまま食べるのではなく、間接的に栄養を吸収する食虫植物なのです。
なんだかタチが悪いというか、おぞましいというか…。
いわゆる食虫植物のハエトリグサとかは見た目も分かりやすく、
虫食べまっせ―!って感じですけど、
トマトは身なりはキレイなのに実は虫を食べるという、
見た目清楚なお嬢様が実はムチャクチャ遊んでたみたいな感じですよね。
しかし、そんなトマトは食虫植物として分類されていません。
それは、明確に虫を捕らえる器官を持っていないからなのです。
例えば「ウツボカズラ」や「ハエトリグサ」は、虫を捕獲するためだけに特化した器官を持っています。
それに対して、トマトは茎がネバネバしてるだけで、特化しているとは言えません。
虫以外からも栄養を吸収できるのでそこまで進化しなかったと考えられます。
よってトマトは食虫植物には分類されません。
しかしあの赤くて見た目も可愛いトマトが、
実は虫も吸収して育っていたなんて…
ゾッとします。