出世魚といったらブリが有名ですよね。
地域で呼び名が色々あるらしいですが…
■関東
モジャコ(稚魚)
→ワカシ(35cm以下)
→イナダ(35~60cm)
→ワラサ(60~80cm)
→ブリ (80cm以上)
■関西
モジャコ(稚魚)
→ワカナ(30cm以下)
→ツバス(30~40cm)
→ハマチ(40~60cm)
→メジロ(60~80cm)
→ブリ (80cm以上)
と呼ばれています。
ハマチなんかはお寿司のネタで馴染みがありますよね。
基本、成長すればするほど脂のノリがよくなり、旨みも増しますがお寿司のネタとしてはハマチぐらいが丁度いいそうです。
ではなぜ、他の魚も稚魚から成長していくのにブリやスズキのような出世魚だけ特別扱いされているのでしょうか。
答えはシンプルで、成長していく過程で姿と味が大きく変化するからなのです。
ここまで変われば違う魚として認識していいよね。
ということで、それぞれの成長過程で名前がつけられています。
他にも代表的な出世魚にスズキがいます。
コッパ(稚魚)
→セイゴ(30cm以下)
→フッコ(30cm~60cm)
→スズキ(60cm以上)
→オオタロウ(老成魚)
となります。
オオタロウだけなんか異色な感じですね。
この出世魚の文化ですが…
明治初期まで武士が成人したら改名するという制度があったのを知っていますか?
例えば…
幼名「牛若丸」→ 元服後「源義経」に改名
幼名「梵天丸」→ 元服後「伊達政宗」に改名
といった感じで、元服(成人)すると名前が変わっていました。
出世魚の名前が変わるのは、ここから由来しているそうです。
ちなみに、昔の幼名は最後に「~丸」とつくものが多かったのですが、これは「おまる」のこと。つまりトイレですね。
あえて名前に汚いものををつけることで、クサイものが苦手な鬼を遠ざける魔除けとしての役割があったそうです。
船になんとか丸が多いのも同じ理由ですね。
この成人したら名前が変わる制度、現代でもあったら面白そうじゃないですか?
幼名は親が決めて成人したら自分で決められるみたいな。
キラキラネームや変な名前を無理矢理つけられても、成人したら変えられる。
こっちの方が本人の意思が尊重されていいですよね。
ただ、個人的な願望ですが…
光宙(ピカチュウ)と名付けられた子供は、成人したら雷宙(ライチュウ)と名乗って欲しいです。