ベニクラゲとは体長1cmにも満たない小さなクラゲですが、侮ってはいけません。
彼らは「不老不死」の能力を持っているのです。
一般的にクラゲは大人になって子孫を残した後、徐々に衰弱して海に溶けて死にます。
しかしベニクラゲは衰弱したり寿命を感じると、2日間かけてポリプという人間でいう赤ちゃんの状態に若返ります。
その後、若返りに成功したベニクラゲは約2ヶ月でもとの大人のクラゲに戻ります。
これを繰り返すことでベニクラゲは理論上「不老不死」だと言えます。
話は変わりますが、人間は昔から生物の構造や機能を観察してそこから新しい技術や物をつくってきました。
これをバイオミメティクスというのですが、代表的な例を紹介すると…
■絹糸 → ナイロン
絹糸をまねて作られた人工繊維です。1935年に発明された最初のバイオミメティクスです。
■オナモミ → マジックテープ
小学生ぐらいのときに友達の服にくっつけて遊んでいませんでしたか?
あのオナモミです。オナモミのトゲは先端がフックのように曲がっています。
■サメ肌 → 競技用水着
サメのウロコは小さな水流を起こして抵抗を少なくする効果があるため、エネルギーのロスを最小限にすることができます。
競技用水着では定番ですね。
■蚊の針 → 痛くない注射針
蚊の針は先端が波打っていて動物や人間に刺すときの痛みを軽減しています。
■カワセミのくちばし → 新幹線の先頭の形
カワセミは高速で水中に飛び込んで魚を獲ります。
そのとき空気中と水中で1000倍もの抵抗差が生じているにもかかわらず、水しぶきが極めて少ないそうです。
これを新幹線に利用することで走行がスムーズになり騒音が減りました。
そして現在、ベニクラゲの不老不死のメカニズムを解明し、その仕組みを応用しようとする研究が進んでいます。
何十年先になるかは分かりませんが、とても楽しみですねー。
この不老不死のメカニズムが解明されれば、ノーベル賞を超えるような大業績となることは間違いないでしょう。
フリーザもドラゴンボールで叶えられなかった不老不死の願いを実現できてニッコリです。